猫を家に迎えると、日々の生活での可愛さや癒しを感じる反面、「健康管理ってどうすればいいの?」と不安になる方も多いはず。
特に飼い始めの1年間は、猫の一生の健康状態を左右する大切な期間。そのため、動物病院での定期的な通院が欠かせません。
本記事では、初めて猫を飼う方向けに「猫の1年目の通院スケジュール」と「その目的」を解説します。
🏥 なぜ猫に通院が必要なの?
「元気そうだし、病院に行く必要はないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
注意:実は猫は体調が悪くても表に出しにくい動物です。知らないうちに病気が進行していた…というケースも珍しくありません。
動物病院は、病気の治療だけでなく「健康を維持するため」の場所。
特に初年度は以下のような目的で通院が必要です。
- ✅ 病気の早期発見(目に見えない疾患の確認)
- ✅ 感染症を防ぐワクチン接種
- ✅ ノミやダニ、寄生虫などの予防
- ✅ 去勢・避妊手術の相談と実施
- ✅ 飼育相談やフード選びなどのサポート

📅 猫の1年目に必要な通院スケジュール(目安)
以下は、室内飼いの子猫(または保護猫)を迎えた場合の1年間の通院スケジュールです。
月齢 | 内容 | 主な目的 |
---|---|---|
〜2か月 | 健康診断・便検査 | 感染症や寄生虫の有無を確認 |
2〜3か月 | ワクチン1回目 | 猫風邪などの予防 |
3〜4か月 | ワクチン2回目 | 免疫効果を強化 |
6か月前後 | 去勢・避妊手術の相談・実施 | 発情の防止、病気予防 |
12か月頃 | ワクチン追加接種 | 1年間の予防維持 |
通年 | ノミ・ダニ・フィラリア予防 | 毎月1回の予防処置 |
補足:保護猫・成猫の場合は、年齢や過去の接種歴によって内容が異なりますので、獣医師に相談しましょう。

🧪 各診察内容を詳しく解説!
🔍 健康診断
最初の診察では、体重、体温、心音、皮膚、目、耳、口腔内などをくまなくチェック。猫エイズや猫白血病の検査、寄生虫の有無を確認する便検査も実施されます。
猫エイズ・猫白血病は感染すると完治が難しいウイルス性疾患。早期に知ることが大切です。
🧬 【ご参考】:猫エイズ(FIV)の主な症状について
猫エイズ(FIV)は、猫同士のケンカによる咬み傷などで感染するウイルス性疾患です。
発症すると免疫力が徐々に低下し、さまざまな症状が現れます。
📌 初期(感染直後〜数年)
- ✔ 一時的な発熱
- ✔ 軽いリンパ節の腫れ
- ✔ 無症状で過ごすことも多い
FIV陽性でも、適切なケアと完全室内飼いで長生きする猫も多数います。早期発見と日常的な健康管理がカギです。
🧬 【ご参考】:猫白血病(FeLV)の主な症状について
猫白血病(FeLV)は、唾液や尿、鼻水などを通じて感染するウイルス性疾患です。
感染すると猫エイズと同じように免疫機能が低下し、さまざまな病気を引き起こします。
📌 初期(感染直後〜数週間)
- ✔ 一時的な発熱
- ✔ 食欲不振
- ✔ 軽い元気消失
FeLV陽性の猫でも、ストレスの少ない環境と定期的な健康管理で、数年以上元気に暮らすことも可能です。

💉 ワクチン接種
猫がかかりやすい感染症の予防には3種混合ワクチンが用いられます。
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症
初年度は2〜3回の接種が必要。以後は年に1回の追加接種が基本です。
注意:ワクチン後に体調を崩すことも。接種日は猫の様子をよく観察し、安静に過ごさせてください。

🐛 寄生虫(ノミ・ダニ・フィラリア)予防
室内飼いでも油断は禁物。人間の靴や洗濯物からノミ・ダニが侵入することもあります。
獣医師処方のスポットタイプ(首筋に垂らす)や内服薬を月1回投与しましょう。
フィラリア症は犬だけでなく、猫もかかる危険な病気。蚊に刺されることで感染します。

⚖️ 去勢・避妊手術
生後6か月を過ぎると、猫は性成熟を迎えます。繁殖期のストレスや、病気を防ぐ意味でも、早めの手術が推奨されます。
メリット:
- ✔ 発情行動の抑制(鳴き声・マーキング)
- ✔ 生殖器の病気(乳腺腫瘍・子宮蓄膿症・精巣腫瘍など)の予防
- ✔ 飼育トラブル(脱走・攻撃性)の抑制
術後の回復期間は、オスで1〜3日、メスで5〜7日程度が目安です。

🤔 体調が悪そうなときはどうする?
日常生活で「何かおかしいな」と感じる場合は、以下のサインに注目してください。
- ● 食欲が落ちている
- ● うんち・おしっこの様子が変
- ● ずっと寝ている、鳴き声が違う
- ● 嘔吐が続く、くしゃみが止まらない
早めの通院が猫の命を救います。「気のせいかも」と様子見するよりも、まずは相談を。

💰 動物病院の費用ってどれくらい?
以下は一般的な目安です。地域差・病院差があるため、事前にホームページや電話で確認するのがおすすめです。
内容 | 費用の目安 |
---|---|
初回健康診断 | 3,000〜5,000円 |
ワクチン接種(1回) | 3,000〜6,000円 |
去勢手術 | 10,000〜20,000円 |
避妊手術 | 15,000〜30,000円 |
ノミ・ダニ予防薬 | 月1,000〜2,000円 |
フィラリア予防薬 | 月1,000〜1,500円 |

🐱 まとめ:猫の健康は、飼い主の「気づき」と「準備」が守る
- ✔ 猫は不調を隠す動物。元気に見えても定期検診は必要
- ✔ ワクチンや予防薬、去勢手術などは早めに計画を
- ✔ 気になる変化があれば、すぐに病院に相談
初めての猫との暮らしには不安も多いかもしれませんが、動物病院を上手に活用することが、猫の幸せと健康を守る第一歩になります。
「この子を守れるのは私しかいない」。その気持ちがあれば、きっと大丈夫です🐾

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